はじめに
私は 2021 年の初めに前職を退職してフリーランスのエンジニアになりました。
そろそろフリーランスになってちょうど 1 年経つので、この 1 年間の活動をまとめつつ、その中で感じたよかったこと・よくなかったことを振り返ってみようと思います。
この 1 年の活動
フリーランスとしては 3 社と契約し、案件としては 4 つの案件を頂きました。
仕事の種類としては Web システムの開発やデータ基盤の構築・運用が主でした。
案件をこなす中で技術的に新しく身についたことを挙げると次のようなものがあります。
- Golang
- TypeScript
- React
- Three.js
- GCP (特に BigQuery 等のデータ処理系のサービス)
総合的に見ると、フリーランスになったことは自分の人生にとってよい方向の決断だったと感じています。
以下、具体的に掘り下げていきます。
フリーランスになって良かったこと
人間関係でのストレスがなくなった
これが一番よかったと感じることです。
企業勤めをして組織の一員として働いている間は、人間関係に端を発するいろんなストレスがありました。それらは当時から自覚していたものもあれば、時間が経った今だからこそ自覚できたものもあります。
そういった人間関係に関するストレスが、フリーランスとして 1 年活動してきた中ではほとんど (あるいは全く) 発生しませんでした。
いくつか思い当たる理由はありますが、一つ言えるのはフリーランスになったことで個々の組織に対する依存が薄まって組織との関係が「疎結合」になり、人間関係に悩むほどの過度な期待を他者に求めなくなったのが大きいのではないかと思います。
こと労働においては「かけがえのない、替えの利かない一つの組織」に執着するよりも、いくつかの組織と関係を持ちながらそれぞれを相対化して見ることのできるフリーランスとしての働き方のほうが、自分には合っているようです。
自分でコントロールできることが増えた
人が集まって組織として行動すると、やはりアンコントローラブルなことが多くなりそれがストレスになることもあります。
フリーランスになってからは、例えば自分の意志で仕事の種類を選択したり、稼働日数を調節して業務時間をコントロールしたり、また仕事のために使うお金は自分で使い道を選択したりできるようになり、そしてそれらのことを決定するのに誰かに稟議を通したりする必要もなくなりました。
人事評価もなくなり、自分の仕事への評価はクライアントとの契約の継続更新と事前に合意した報酬額となり、シンプルになりました。
個人ではできない大きなことをするために会社を作り人が集まるわけですが、フリーランスとして個人で意思決定し小回りの利く働き方のほうが、今の自分には合っていると感じました。
収入が増えた
これは明確に数値として結果に出るので、モチベーションに繋がりました。
1 年目となる今年は会社勤めをしていた頃の 3 倍の額を稼ぐことができ、フリーランスとしてやっていく自信にもなりました。
仕事に使ったスキルは会社勤め時代とほぼ変わらないのですが、環境を変えるだけで収入は大幅に変わりました。環境によって働き方や収入が大きく違うのは当然として、フリーランスはそういったよりよい環境を常に探し選択していきやすい働き方なのだと思いました。
フリーランスになって悪かったこと
先行きが不透明になった
フリーランスはそういうものだという話なのですが、やはりこの 1 年の仕事と収入を来年も維持できるかというとその保証はないですし、10 年後もフリーランスとしてやっていけるかは分かりません。
しかしそれでも打てる対策はあって、それは例えば請ける仕事を複数にして収入を失うリスクの分散をしたり、流行りの技術をむやみに追いかけずに基礎となる理論をしっかり身に着けて個々の現場での対応力を磨いたりといったことをしています。
チームで大きなことができなくなった
フリーランスとしては客先には準委任契約の業務委託として参加しており、基本的には顧客がやりたいことをお手伝いする形になります。
顧客ごとに持っているいろいろな「やりたいこと」に触れてその実現に参加できるのはそれはそれで楽しいのですが、一方で自分が「やりたいこと」を見つけた時にそれを実現するに当たって「会社」の持つリソースを活用することはできなくなったのだと実感しました。
「早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければ皆で進め (If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)」という言葉がありますが、まさにこのことを言い表していると思います。
これからのこと
フリーランスとして 1 年活動してきて、幸いにも客先からも評価して貰えており、これからもしばらくはやっていけそうだという自信がつきました。
目標としては 30 代の間、あと 9 年は続けられるようにいろいろと試行錯誤していきたいと思います。
方針としては一つのスキルを突き詰めて高い単価を目指すのではなく、広くいろんな現場に対応できるようにスキルを広げていき、仕事に多様性を持ちつつリスクを分散して、また収入のスケールアウトを目指していこうと思います。
それでは 2 年目もフリーランスとして、どうぞよろしくお願いします。